スペインでの「妊娠初期」の最終話。
これまでの話しは、「妊娠から出産までの話」をどうぞ。
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暖かいスペインも、12月となると寒くなる。
特に山沿いでは結構冷える。
お金はなくなり、友達のうちの庭にあるバスに住んで、先行き不安な状態で、私はとにかく一刻も早く日本に帰って、栄養あるものを食べて、暖かなベッドで、安心して眠れる生活をしたかった。でも、ムスメパパはワタシが日本へ帰ることをなかなか承知してくれない。クリスマス近づくと、航空券は高くなるから早く取りたかったのに、クリスマスは一緒に過ごすものだと絶対に許してくれない。一緒にいたいという彼の気持ちもわかるのだけど、その時のワタシにとって一番大事なのは、おなかの中にいる小さなベイビィちゃん。慣れないところで、不自由な思いをして、万が一なにかあったら、どうしようと、そればかり気になっていた。(ちなみに、航空チケット代は、親に借りた。)
普通のときなら、ここまで気になるかなぁ?というくらいの心配っぷりだったのだけど、後で聞いたら、妊娠初期って多くの人が先行き不安になったり、パートナーとケンカしたり、するのだそう。
とにかく、1ヶ月以上かかって、彼を説得し、私は日本へ帰り安静する。彼はイギリスへ帰って仕事や住むところを探して、私が安心して出産できる環境を整える。用意ができたら、私は渡英する、ということになった。
チケットをとったのは、クリスマス直後。日本へ帰る日は大晦日。本当に、ものすごく日本に帰りたくてしょうがなかったのだと思う。この頃、ひなたぼっこしながら、「日本に帰ったらしたいことリスト」とか「食べたいものリスト」とかを作って、日本の生活を想像してはうきうき気分になるのが、私の楽しみだった。(今、思うと、これがマタニティブルーというものだったのかな。)
庭のバスに住ませてくれた友達には、本当によくしてもらった。スペインを出るときも、彼女にグラナダ空港まで送ってもらった。
私が滞在した村も、向こうに見える山のように、白壁の家々の小さな集落の集まりの村でした。
モロッコとスペインの両方の影響をうけた建物が多い地域でした。
シエラネバタ山脈の雪帽子。
さよなら、スペイン。
いつか、また、住みたいな。
飛行機は、スペインのグラナダ空港から、ロンドンのスタンステッド空港まで。
最初にロンドンに行った十数年は、ガトウィック空港に降り立った気がする。その後、ヒースロー空港になって、今回は格安航空会社 Ryan Air で、スタンステッド空港へ到着。片道1人30ユーロくらいだったと思います。
ロンドンについたら、これまでスペインでは7時くらいまで青空だったのに、4時半くらいには暗くなってきました。あぁ、イギリス!!!
そして、エクスプレスバスでビクトリア駅へ。(このバスのチケットは、たしか10ポンドくらいで、スペインーイギリスの航空券の半額より高かった!! さすがイギリス) 途中でビッグベンみて、あぁ、ロンドン!!!
この日は、彼の友達のところに1泊して、次の日にヒースローより日本へ帰国。時は、2007年12月31日のこと。
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次からは、<妊娠中期 日本編>です。
つづき:妊娠中期 #1 ビバ!日本食