『旅のはじまり』
旅に出ようと思ったのは、2007年11月のことだった。
人はなぜ旅に出ようと思うのか?
私の場合は、「思いつき」に近い。
私にはこういう人生を送りたいという「夢」はあるけど、
具体的なものではなく、長期的な人生設計みたいなものはない。
だから、この年になっても、1年後にどこで何をしているのかなんて
自分でも全く予期できない。
自由といえば、自由。
でも、もしかしたら、自分の本当の居場所を見つけていない、と
いうことかもしれない。
常に旅していたいと思っているかというとそうでもない。
でも、しばらく落ち着いた生活を送っていると、むくむくと
旅熱が出てくる。自分でも気づかないうちにその熱はあがって
いって、ある時、沸点に達して「あ、旅に出よう」と思う。
そうやって次の旅のことを考えたときから旅ははじまる。
旅を計画して、いろんなことが決まってきたら、準備して。
実際に旅に出たのは2008年7月のこと。
最初に旅を思いついたときは、カナダを念頭にいれていたのに
行くのはロシア。その後はヨーロッパを縦断してアフリカに渡り、
南アフリカを目指そうかな、っていうのがだいたいの予定だった。
つづき:ユーラシア大陸の旅 #2 『旅立ち』