2010/08/07

平和について(前編)

ぼくの大好きな街、広島。緑いっぱいの美しい街です。65年前の8月6日、午前8時15分。人類史上初めて、原子爆弾が広島に落とされました。

一瞬のうちに奪われた尊い命。変わりはてた家族の姿。原子爆弾は人々が築きあげた歴史や文化をも壊し、広島の街を何もかも真っ黒にしてしまったのです。

しかし、焼け野原の中で、アオギリやニワウルシの木は、緑の芽を出しました。人々も、街の復興を信じて、希望という種をこの地に蒔きました。傷つきながらも力いっぱい生き、広島の街をよみがえらせてくださった多くの方々に、ぼくたちは深く感謝します。

今、世界は、深刻な問題を抱えています。紛争や貧困のために笑顔を失った子どもたちもたくさんいます。私たちの身近でも、いじめや暴力など、悲しい出来事が起こっています。これらの問題を解決しない限り、私たちの地球に明るい未来はありません。

どうしたら争いがなくなるのでしょうか。どうしたらみんなが笑顔になれるのでしょうか。ヒロシマに生きるぼくたちの使命は、過去の悲劇から学んだことを、世界中の人々に伝えていくことです。悲しい過去を変えることはできません。しかし、過去を学び、強い願いをもって、一人一人が行動すれば、未来を平和に導くことができるはずです。

次は、ぼくたちの番です。この地球を笑顔でいっぱいにするために、ヒロシマの願いを、世界へ、未来へ、伝えていくことを誓います。


平成22年(2010年)8月6日
 こども代表
  広島市立袋町小学校6年 高松樹南
  広島市立古田台小学校6年 横林和宏


(表記は原文のまま)


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いつも、広島の原爆忌のこどもたちによる『平和の誓い』には、はっとさせられます。


すごく心に残っているのは、平成19年度の『平和の誓い』



今、テレビや新聞は、絶えることない戦争が、世界中で多くの命を奪い、今日一日生きていけるか、一日一食食べられるか、そんな状況の子どもたちをつくり出していることを伝えています。

そして、私たちの身近なところでは、いじめや争いが多くの人の心や体を壊しています。嫌なことをされたら相手に仕返しをしたい、そんな気持ちは誰にでもあります。でも、自分の受けた苦しみや悲しみを他人にまたぶつけても、何も生まれません。同じことがいつまでも続くだけです。

平和な世界をつくるためには、「憎しみ」や「悲しみ」の連鎖を、自分のところで断ち切る強さと優しさが必要です。そして、文化や歴史の違いを超えて、お互いを認め合い、相手の気持ちや考えを「知ること」が大切です。



これまでの『平和の誓い』




最近、乳児や幼児への虐待や、ネグレクトが問題になっています。
虐待やネグレクトをやってしまう人は、その親に同じように虐待や
ネグレクトされていたケースが多いといいますが、広島の子供たちが
いうように「自分の受けた苦しみや悲しみを他人にまたぶつけても
何も生まれません。同じことがいつまでも続くだけです。」


私は、私ができる「平和への第一歩」は、まず自分が平和になることだと
思っています。自分が平和になって始めて、周りの人を平和にできる。
そういう人が少しずつでも増えていけば、一人一人の力は小さくとも
集まれば大きな力になります。


平和なときには、平和の大切さは、あまり実感できません。
頭ではわかっているけれど、当たり前すぎて感謝し忘れるのだと思います。


旧ユーゴスラビアの戦争は、15年ほど前に近代のヨーロッパで起こった戦争です。
それまで違う人種、違う宗教観の人たちが同じところで仲良く暮らしていたのに、
ある日を境に、人種や言葉や宗教が違うもの同士が怒りをぶつけ合いだしました。


怒りはどんどん連鎖して、人々を奮起させ、戦争にまでなりました。
私が訪れたボスニア・ヘルツェゴビナの小さな村では、自分の家族を殺したのが、
村の誰かわかっているそうです。そして、その隣人と今でも小さな村で共に暮らして
います。その隣人に怒りを感じないといえば、ウソになるのかもしれませんが、
許すことにしているそうです。許さないと、日々の生活をやっていけないのだそうです。


家族を殺された仕返しをしたら、その隣人の家族にまた仕返しをされ、さらに
仕返しの仕返しを、、、と永遠に繰り返したのが、戦時中だったそうです。
怒りの連鎖からは何も生まれない。残ったのは悲しみと多くの犠牲。





今年の『平和への誓い』で、子供たちは、起きてしまった過去は変えれないけど、
「強い願いをもって一人一人が行動すれば、未来を平和に導くことができるはず」だと
訴えています。この子供たちの未来、私の子供の未来が、平和でありますように。
そして、平和な世界に少しでも近づけるように、私も強い願いをもって行動できますように。



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