2011/01/30

予防注射

昨日のニッキで、予防注射のことに触れたので、もう少し詳しくワタシがどのように予防注射のことを考えているか記録しておこうと思います。

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予防注射に関しては、ムスメが生まれた直後くらいまで何も考えず「受けるもの」だと思っていました。受けない選択があるということを考えたことがなかったのです。イギリスでは、生後8週目に6種混合を接種するのが最初の予防注射となります。生後8週で予防注射ということになんだか抵抗を感じました。ムスメが3ヶ月になったら、(ビザの関係で)日本に帰ることになっていたので、イギリスでの接種はやめてもう少しいろんな人に話しを聞いたり、調べたりすることにしました。

ワタシがイギリスで住んでいた地域は、ホメオパシーのレメディを処方してくれるNHS(イギリスの公立の病院でイギリス市民は無料)があったり、世界でも数が少ないシュタイナーの大学がある地域でした。自然食品のお店も多く、オーガニックの食材も豊富で、グリーン党を応援する人が多く、環境保護やエコの意識が高い人が周りにたくさんいました。

ワタシと同じ歳だった貴族出身のイギリス人女性は小さい頃をアフリカ(タンザニアだったかどこか)で過ごしたけど、予防注射打ったことなくこれまで大きな病気にもかからず過ごしていると言っていました。別の友達の子供たち(13歳、8歳、2歳)は誰も予防注射を打っていませんでした。その子供たちの父親に話しを聞いたのですが、『子供たちはもちろん病気にかかる時はかかる。でも病気になって回復した後、子供はものすごく成長をしている。』と言っていました。子供たちの母親は栄養士で、食事にすごく気をつかっていました。

日本に帰って来て、予防注射に関する本を図書館で借りてきて読んだり、ネットで調べたり、mixiのコミュニティで予防注射に関してどのような意見があるのかみたりしました。小児科医の毛利子来さんが監修した「防接種へ行く前に―受けるこどもの側にたって」は、すごく勉強になりました。(毛利先生のホームページでもたくさん予防注射のことに関して書かれています。)mixiのコミュニティで「予防接種を考える」というのがあるのですが、ここでは予防接種反対派の人と、賛成派のどちらの人もコメントしていて、すごく為になりました。このコミュニティで、賛成派の人で、家族親戚友人知人が予防接種をしていたために大事に至らなかった、という意見も多々ありました。また、おもしろいことに反対派の人にも、家族親戚友人知人が予防接種を受けたために二次感染などにより重篤な状況になったという体験談を元に反対する人もいました。

いろいろなことを調べれば調べる程、受けるにしても受けないにしてもリスクがあるのだと考えるようになりました。だとしたら、どちらの方がよりリスクが少ないのか? 後悔しないのはどっちだろう? 日本での最初の予防注射の接種のときとなる4ヶ月検診の際のBCG接種まで、ものすごく悩みました。このときに感じたのが、親になって子供のために決断するというのは、1人の人間の人生を左右するような決断をくださなければならないんだ、ってことでした。(今思うと、この最初のBCG接種をするかどうかが、これまでのところ一番悩み続けたことです。)

接種当日まで悩んで、結局その日は受けさせませんでした。(ワタシが住んでいるところでは、予防注射の当日に体調を崩したなどの理由で再度受けれるように5ヶ月まで受けれるようになっていました。)そして、それからもう1ヶ月考えた結果、BCGは受けさせないことにしました。

<BCGを受けさせなかった理由>
*BCG接種で完全に結核の発病を防げるものではないこと。
*通常の生活でうつることはなく、乳児がうつるのは生活を共にしている家族からであるということ。(つまり、オトナがきちんと健康であれば、ムスメは心配ないと思った。)
*BCGはイギリスでもアメリカでも行われていない。日本は結核菌保有国だからいまだにBCGを行っているということだけど、予防注射を打っていないであろうイギリス人の友人もアメリカ人の友人もその友達たちの誰も結核にかかったという話しを聞いたことがない。(つまり、怖い病気かもしれないけど、普通にしていてかかる病気ではないと思った。)
*私の友達(女のコ)が、BCGの予防注射の跡がすごい大きな傷跡になってて、腕をだすコンプレックスになっていた。
*乳児が重症な結核にかかったケースは年間に数人しかいないこと。(この乳児が予防接種を受けていたのかどうか不明。)
*1歳を過ぎたら予防接種の効果があまりない可能性が高いこと。

これらの理由で、やめました。そして、これ以降の予防接種も受けないという訳ではなく、毎回ちゃんと考えようと決めました。例えば、ポリオは全く反対という訳ではありません。特に将来インドなどいまだにポリオが発症する国にムスメと一緒に旅行しようと考えているので、そういう国に行くのにポリオの予防注射を打たずに行くことはないと思います。ただし、ポリオを今受けないのは、今国が提供しているワクチンが生の菌である活性化ワクチンだからです。現在日本ではポリオは撲滅しています。ポリオにかかるのは、この活性化ワクチンを打った人からの二次感染しかありません。イギリスではそのような感染がおきない不活性化ワクチンを使っています。ワタシにはなぜ日本がいまだに活性化ワクチンを使っているのかわかりません。現在日本ではこのような活性化ワクチンを使うことを不安に覚え、不活性化ワクチンを入手して接種してくれる病院が50ほどあると聞きました。ポリオがまだある国に行くときに、お金はかかるかもしれませんが、このような病院で不活性化ワクチンを打ってもらうつもりです。(この件に関してのニュース記事

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現在、予防接種は昔と違って国による強制ではありません。国が責任を持つという考え方ではなく、親が責任を持ってください、ということです。だからこそ、できれば必要な正しい情報(メリット、デメリットの両方。反対派や賛成派の都合のよういように見せた数字ではなく見た人が判断できるような数字など)が、一般にちゃんと開示されればいいなと思います。そして、それぞれの親がそれぞれ考えて、選択できるようになればいいなぁと思います。

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